アメリカ産ハラミ 正確にはアウトサイドスカートという部位名であり、サガリとは違う なんで美味しくないのか?
ちょっとワケがあってアメリカ産の横隔膜(ハラミ)を入手しました。知り合いから頼まれたんで、ついでに僕の分も買ったんですよ。
その現物がこちら↓
これ、まだ冷凍状態でカチカチですw 重量はおよそ 2.4kg 2枚入っていますので、1頭分になりますね。左と右で2枚、牛の巨体からすると希少部位となるわけです。
楽天などで検索すると、「ハラミ」 といっても「サガリ」と「横隔膜」が、ごっちゃに表示されていたりします。
正確に表示について言うと以下のようになると思います。
まず、ハラミ というのは内臓肉のことを指します。そして、そのハラミの種類として、サガリ、横隔膜のふたつがあります。
分かりますかね?(笑)地域や店舗によっては、言葉の定義がはっきりしていなくて、上記のような曖昧な表示がされていることが多いのですが、正確にはサガリという部位と、横隔膜という部位は同じ内臓肉ではあるのだけれども、全然違う部位となります。
ちなみに日本での輸入内臓肉の呼び方、名称は以下です。
サガリ=ハンギングテンダー
横隔膜=アウトサイドスカート
(注) 最近ではストレートに「横隔膜」と表示されてる模様。ただし英語で(笑) DIAPHRAGM ダイアフラム とは隔膜、横隔膜のこと。
僕が購入したアウトサイドスカートのグレードは?
さて、柔らかくで美味しい部位であるはずの横隔膜。さっそく試食してみました。
結果からいうと、「美味しくもなく、かと言ってマズくて食べられないわけではない。肉は確かに柔らかかった」
というもの。
ハラミ・・・とくに横隔膜はもっと旨味があるはずなんだけどなぁ・・なんか違うなぁ・・
というのが僕の正直な感想。というわけで、ごのブツのグレードを調べてみました。
どうやって調べるのかというと、購入先にお願いして、輸入パッケージの商品情報を詳しく確認してみるのですよ。
USDA アメリカにおける牛肉の格付けについて
以下が僕の購入したアウトサイドスカートのグレードについての情報です。
この写真のどこを見るかというと・・・下から2行目です。
USDA CHOICE OR HIGHER
これが、このブツのグレードになりますね。んで、どれくらいのレベルなのか?
これを知るにはアメリカの牛肉の格付けについて見てみないと分かりませんw
牛肉の格付システム | 格付け・部位 | データベース | 米国食肉輸出連合会
上のリンクで確認すると、チョイスというのは 「だいたい普通」 という位置づけであり、レベルとしては低くもなく、とくに高いというわけでもない(笑)という感じのモノらしい。
肉質を決定づける要因というのは、遺伝的要素がもっとも大きいのだけれども、仮にこのチョイスというグレードの牛に、もっと高タンパク、高カロリー、高脂質の飼料をある程度の期間、与えればかなり肥えてサシも入った牛にはなると思う。
なので、遺伝的に肉質が劣った牛ということではないのですね。コストの面から飼育方法に差をつけているのではないかと思います。
それにしても、この「風味のなさ」というのはなぜなんだろうか? と思ってしまいます。
牛肉の風味を決定する特定化学成分
結論 牛肉には味、風味を決定づける特定の化学成分がある
牛肉の「味」 に関する論文をひとつ挙げておきます。これらの論文を読めば、牛肉には明らかに風味を決定づける化学成分が存在していることが分かります。
「呈味」・・・「ていみ」 とは、味を感じることを指す言葉ですが、化学物質には味を感じさせる働きがあります。
牛肉の風味を改良するためには、要するにこの「呈味成分」を特定して、それを付加すればいいわけです。
これが飼料によって変えることができるのか? あるいは遺伝的に改変しなければ無理なのかは僕には分からない。
それに気候や風土などの飼育環境にも影響されるものなのか?
いずれにしても、アメリカ産アウトサイドスカートにおいては間違いなく呈味成分が欠けているのは間違いないです。
やっぱり遺伝的特質なのかなぁと感じますね。交雑牛みたいに、黒毛和牛の血(遺伝的特質)が半分でも入っていれば、全然風味は変わってくるんですけどね。
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