ハラミの謎 なぜ国産ハラミは簡単に手に入らないのか? 特に黒毛和牛のハラミが手に入らない なかなか買えないのはなぜなんだ?

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ハラミってなんのことなんすか?

ああ、それ焼肉の人気メニューのひとつだよね。

牛の横隔膜筋のことだよ。

一応、分類では内臓肉って言われているよ。ホルモンの仲間だね。

見た目や味はホルモンとは全然違うけど、それでも分類上は内臓になるの?

そうだよ。

中身というか肉質はまったく普通の牛肉と変わらないけど、内臓全体を支える役目をしている部位だから内臓肉という名称で他の部位とは区別されているわね。

今は美味しい部位として認知されて人気もあるけれど、その昔は「まかないメシ」として、売り場に並ぶことはなかったよ。牛一頭から獲れる量も少ないし、「お金にはならない部位」として扱われていたんだよ。

へー、知らなかったよ。

それでハラミって普通にお肉屋さんで買えるの?

うーん、それがね、黒毛和牛も含めた国産ハラミっていうと、なかなか扱ってるお店って少ないかも知れないね。

外国産、輸入品なら簡単に手に入るんだけどね。

ちなみに輸入品はアウトサイドスカートっていうスペック名称だよ。

なんで国産はダメで輸入品はあるわけ? 普通に流通してるんじゃないの?

それが普通に流通してないんだよね。いろいろ歴史的なことも含めて難しい話なんだよ。

 

日本国内で屠殺された牛のハラミはどこに行ってしまうのか? 誰がハラミを持ち去ってしまうのか?

ハラミの行方と言われても、お肉の流通に関心がない人がほとんどだと思うので、何を言ってるのかさっぱり分からないと思います。(笑)

実はお肉屋さんから直接聞いた話なのですが、お肉屋さんは牛を一頭丸々仕入れても内臓関係というのは一切付いてきません。牛肉と内臓関係ホルモンというのは、と殺した時点で別々の業者が絡んできます。

牛肉を仕入れするところと、ホルモンを仕入れする業者は別々なんですね。

んで、ハラミという部位は一応内臓関係となるので、通常の牛肉仲卸業者では扱いがないわけです。つまり仲卸であっても別の内臓業者から仕入れをしないと手に入らないわけです。

つまり、だれがハラミを持ち去るのかといえば、答えは内臓を扱う専門業者ということになります。

詳しくは 一般社団法人日本畜産副産物協会 を見るといいでしょう。

あ、上の訂正したリンク・・・どういうわけか内容が書き換わっていますね? 僕がアクセスしたときは確かに「実情に近い情報」が書かれていたんですが・・・謎です。(笑)

もう一度書くと、ハラミ類・・・サガリも含めてなんですが、これらの部位は定義上「ホルモン」として扱われ、通常の牛肉のパーツとして取引されることはありません。輸入品は別だけど。

お肉屋さんは卸業者からこれらのホルモン類も仕入れることはできますが、じつは、その取次ぎをしてくれる卸業者もハラミを含む内臓類に関しては別のルートをたどらないと手に入れられない仕組みになっています。

と畜場は行政によって管理されていますが、各と畜場には必ずといっていいほど内臓を管理する団体があります。それは(社)日本畜産物協会といい、内臓には一頭からとれる量がかぎられているためその内臓の安定供給を主に行っています。

 

じつにややこしい仕組みです。なぜこんな面倒くさい流通になっているのか?

穢れの思想と被差別部落と利権

まずは被差別部落について、つい最近の東京青山の児童相談所問題と絡めて、つぎの記事を見ていただきたい。

壁に「部落の学校消えろ」落書き、口伝え、レッテル…出身者が語る被差別部落の姿

コメントがかなり勢いがありまして、いろいろ炎上してるようです。これらを含めて総合的に考えてみると、人々がみんな嫌う仕事、たとえばごみ処理とか、汚物処理、臭い、汚い仕事っていうのはいわゆる「穢れ」けがれることであり、その仕事に従事することは、すなわち「自身も穢れが多い」ということであり、それが 穢多 という言葉の起源です。

一口ではその歴史的経過も含めて語ることはできないので以下のWIKIを参照

穢多

んで、穢多とハラミがなんでつながるかというと、それはつまるところ 食肉解体業というわけで、歴史的に「誰もが忌み嫌う仕事」で、だれもしたがらない仕事ではあったけれども、社会的には必要な仕事であり、人々から忌み嫌われる代わりに「利権」を与えられてきたという歴史的背景もあるのですね。

これが延々と現代にまでずーっと尾を引いているわけです。

つづく

死牛馬取得権という考え方が現在の国産牛のホルモン流通に影響を残しているのではないか?

穢多の歴史的経過と背景について調べていく過程において、興味深い事実が判明しました。それは死んだ家畜の処理についてです。江戸時代にはと殺行為は禁止されていました。

したがって処理するのは何かの原因で倒れて動けなくなったいわゆる 「斃れた牛馬」 となります。斃という漢字、普段はまったく使いませんが、病気・事故などで(急に)患ったり、死ぬ、殺される場合に使われます。 音読みは「ヘイ」、訓読み「たお(れる)、し(ぬ)、ほろ(びる)」です。

んで、江戸時代には「死亡した牛馬の遺体を取得する権利」というものがありまして、それを穢多が独占していたらしいのです。詳しくは下記を見てください。

死牛馬取得権

僕にはこの決まりごとが現代にもずーっと影響を与えているように思えてしょうがない。

「俺たちはみんなが嫌がる仕事を代々ずーっと続けてきたんだ。だから俺達には死んだ牛馬を自由に扱う権利があるんだ」 

こういうふうに考えれば、国内のホルモンを仕切っている唯一の組織が社団法人を作って、ほぼ全国区で活動している理由が見えてきます。彼らは食肉の安定供給を社是として挙げているけれど、実態は独占です。

だれもこの業界には口出しできないようにしているとしか思えない。

日本における食肉の歴史

日本は狩猟民族ではなく、古くから農耕民族だったと思われがちですが、じつはそんなことはなく、イノシシやシカなども普通に食べていました。天皇に献上した記録もあるようです。これが仏教の影響で食べなくなったのが平安中期900年ごろ。

とはいっても庶民のあいだでは動物をと殺して食べる者も普通にいたようです。しかし次第にそういう人達はさげすまれるようになる。だけど歴史的に見て肉食の習慣というのは古くから続いていたとみればいいと思います。特に地方の田舎ではその習慣が現在でも強く残っています。山で獲ってきて勝手にさばいて食ってるもんね。

詳しくはWIKIにあるのでこちらからどうぞ。

日本の獣肉食の歴史

忘れてならないのは、食肉の陰には必ずそれをさばく人たちがいたということ。

本当に古くから肉をさばく、いわゆると殺を生業とする人たちがいたんだけど、やっぱり差別されてインドのカースト制度みたいにさげすまれていたんだよね。穢れの思想ってなんなんだろ?

旨いもん食いたい、いい靴はきたい、いい服着たい、だけど汚い仕事はしたくないというw 自分だけは綺麗でいたいということなんだろうな。

 

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