ボサノバ 高度に洗練された音楽 

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ボサノバはリゾート音楽でもなければ民族音楽でもない じつは人工的に考えて創られた音楽だった

ボサノバという言葉を聞いてどう思われますか?

僕自身は、「ああ、ブラジルの音楽だなぁ」 「なんかオシャレな音楽だなぁ」 という印象がまず頭に浮かびます。

あと、南米のリゾートみたいな雰囲気がとってもありますよね? ブラジルには行ったことないですが(笑)

 

ちなみにギターでいうと、クラッシックギターを使って、マイナーセブンスナインスコードなんかを爪弾くと雰囲気が出ます(笑)

リズムの基本は 一拍半 で跳ねるところがミソかと。

んで、ご存じかもしれませんが、このボサノバ、じつは歴史はとっても新しいのですよ。だいたい1950年代の後半ぐらいに生まれたらしい。この辺りの事情はウィキで確認してみましょう。

 

どうして現在聴かれているボサノバのような音楽様式が誕生したのか? ウィキを読んでも判然としませんが(笑)とにかくブラジルに伝わるサンバを基に、「なにか洗練された新しい音楽」を求める人たちがいて、彼らが中心となって生み出された。

これが世界に波及し、他の音楽スタイルに取り込まれたものが現在聴かれているボサノバとなっているようです。

なぜボサノバは高度に洗練された音楽だと言えるのか?

さて、ここからが本題です。

なぜボサノバは洗練されてオシャレに聴こえ、なおかつ音楽理論的にも高度なのか?

音楽の優劣を測るときに、理論的に高度であるから上だとか、原始的だから下だとかという評価の方法がありますが、それに則ればボサノバは高度な音楽だと言えます。

そうなの?

理論的に高度なものといえばジャズとか現代のクラッシック、現代音楽なんかもあるけど・・・

あとロック系でも複雑なのはあるよ?

 

ええ、確かに。だけどポップ性というか、大衆受けするかどうか? という視点から考えると、高度な理論を使った音楽というのは難解になりがちであり、ボサノバのように多くの人に愛される音楽にはなりにくい側面があります。

なので、ボサノバというのは高度に音楽的でありながら、なおかつ音楽的素養がなくても親しみを持って楽しめる大衆音楽でもあるのですね。

ジャズなんか聴いても楽しくないけどボサノバなら聴けるという方は多いのではないかと思います。音楽理論的にはボサノバもジャズと大きくは変わらないというのに。。

 

イパネマの娘 Garota de Ipanema

上の動画は「イパネマの娘」 の演奏です。とても上手いですねぇ。

このイパネマの娘の原曲といいますか、メロディはどこかで聴いたことがある方が多いと思います。なので演奏だけ聴いても楽しめるのではないでしょうか。

 

Stan Getz & Joao Gilberto – The Girl From Ipanema

ボサノバが音楽的には高度な理論でできているのにオシャレでポップに聴こえる理由とは?

僕自身は「ボサノバのサウンドの秘密」 というのは、テンションの使い方にあると思っています。これがボサノバがお洒落でポップに聴こえる一番の理由ではないかと思うのですよ。

楽器ができる方は一度、この曲をコードサウンドをなぞりながら、メロディを弾いてみて欲しいのですが、この時に「そのメロディが今、コードサウンドの何度になっているか?」 ということを意識してみて欲しいのです。

まあ、全部が全部テンションばっかりというわけではないのですが、要所要所で効果的に 9度、13度などが使われていることが理解できると思います。あと7度も。

んで、これらテンションノートを3度や5度といったコードトーンの基礎となる音と組み合わせて、ポップでお洒落な響きを創っているんですね。

とくにイパネマの娘のBメロなんかは、個人的な感想なのですが、「よくできてるなぁ」と思います。ちょっと音程が取りにくいパートだとは感じるのですが、コードサウンドの変化に合わせて、同じ音型で盛り上げてから上手く元のキーに戻しているんですね。

ジャズ理論との共通点という視点からみてみると、ボサノバは部分転調のかたまりみたいな感じもします。具体的には 「ドミナントモーションの連続」 ですね。

ちなみにドミナントモーションというのは代理コードでいろいろ変化されて演奏されるのが普通に行われます。なので演奏者の解釈によって使われるコードサウンドというのはいろいろです。

こういった特性からボサノバはジャズと親和性が高く、音楽理論的に高度に組織化された音楽だと言えるのです。

Girl from Ipanema/Backing Track for C instruments

 

 

 

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