クイーンのサウンドが個人的に好きじゃない理由を考えていた・・どうでもいい話 

スポンサーリンク

なぜ僕はクイーンのサウンドが気に入らないんだろうか?

クイーンってイギリスのバンド、1970年代を代表するバンドですね。もちろんサウンドは聴いてますのでどんなものかは知っています。

ただそれがあんまり好みじゃなくて、一聴しただけで繰り返し聴くようなバンドじゃなかった。

ロックバンドなんて個人の好みの問題であり、サウンドが優れてるだの上手いのなんてのは問題外。ましてやルックスや声の質とか政治信条であるとかそういうのも問題外。

とにかく僕はクイーンのサウンドには全くと言っていいほど反応しなかった。んで、ちょっと考えたんですね。

「なんでオレは日本で大人気のクイーンが好きになれないのかなぁ?」

これはたぶんクイーンのサウンドそのもに理由があるに違いない。なにか他のロックバンドとは異なる要素ってのがあって、その異質感、異物感(笑)みたいなのが気に障るんだろうと思います。

クイーンのサウンドはクラッシック音楽にボーカルを載せたようなサウンドだ

 

 

クイーンの初期、それもデビュー時のサウンドを繰り返し聴きながら考えてみたんだけど、どうもクイーンに感じる 「異物感」 というのは、そのサウンドボイシング、メロディ、楽曲構成などが、クラッシック音楽をベースとしていることからくるような気がする。

そして、そのサウンドの傾向は年月を経てもずーっと変わらない。

クイーンのサウンドはオペラとかバレエ音楽だとか揶揄されるようですが、僕もやっぱりそういう要素は感じます。

この記事を書くにあたり、もしかしてクイーンは出身国イギリスの古典に影響を受けているのではという思いから古いイギリス音楽についても調べてみました。しかし1400年ごろの中世イギリスの音楽的要素というのはクイーンにはありません。

またスコットランドに見られるケルト音楽の影響もない。どちらかというと、イタリア風の歌劇の影響が強いように思われます。

オペラ、歌劇の発生はイタリアルネッサンス期にさかのぼります。音楽史的にはルネッサンス期、バロック期と共存しています。

参考音源

Orfeo – Monteverdi

 

 

上の動画は オルフェオ モンティベルディの残したオペラ初期の作品です。全編通しで聴くと2時間あります。全編を通して聴くのはちょっとしんどいですね。

なぜこのモンテベルディを取り上げたかというと、普通はオペラなんて鑑賞しないと思うんです。ちょっと誤解があるかもしれませんが、「あなたはオペラをお金を払って観に行ったことがありますか?」 ってこと。

たぶん芸術全般に対して強い興味がある人か、もしくは上流階級にある人が社交のひとつ、たしなみのひとつとして観劇にいくのではないか?

オペラがどんなものなのか、みなさんイメージでしか持ってないような印象があるんですね。

あらためて聴いてみるとオペラ自体はすごく良い。クイーンに対する僕のイメージとは裏腹にオペラサウンドはすごく良いです。たぶん生でホールで観ると感激するかもしれない。

ただ、オペラとロックを融合させたようなサウンドはやっぱり僕の感性では受け付けないです。

僕自身はオペラ風のロックサウンドが聴きたいか? と問われれば答えは NO です。そんなものは聴きたくない。逆にロック風のオペラも観たくないです。

オペラはオペラの様式で聴くもの観るものでいいんじゃないかなと思います。

クイーンがなぜオペラ風サウンドに聴こえるのか? あるいはオペラ風サウンドをなぜ狙って創ったのか?

クイーンメンバーの誰かがそういう趣味があるのか、あるいは全員がオペラが好きだったのかは知らないけれども、強い影響を受けていることは感じます。

クイーンのサウンドにはペンタトニック要素がほとんど感じられない

クイーンのサウンドを聴くと、その特徴の一つに 「ペンタトニック」 「ブルースフィーリング」 というのが全くと言っていいほどないことに気が付きます。

※ ペンタ的要素、ブルース要素というのは、あるにはあるが、サウンド全体に占める割合はすごく小さくて彼らのサウンドの核にはないといっていい。

そしてそれはルネサンス音楽やバロック音楽にも言える。

 

音楽理論的に言うと、4度、5度、2度 を中心としたペンタトニックスケールのもたらす音感が従来のロック的感覚であるのに対し、3度、6度、7度 の動きを中心とした、いわゆるダイアトニックスケールのもたらす音感がクイーンサウンドに感じる「異物感」 の正体だと思います。

 

そして、前者のペンタトニック音組織というのは組織内に半音でつながる箇所がないので調性感があまり感じとれないような構造になっています。より調性感を感じられるのは後者のダイアトニックスケールであり、クイーンサウンドが非常にメロディアスに感じられる理由も分かってもらえると思います。

現代のアニメソングにも通じるロック的感覚のなさ

クイーンサウンドに感じる違和感とアニメソングにおける自称ロックサウンドに感じる違和感というのも根っこは同じかもしれません。

両者とも「エレキギターが炸裂する激しいサウンド」というのがあるんですけど、なぜかロック臭さが感じられない楽曲っていうのが多い。日本の若手ミュージシャンのミュージックビデオみると自己陶酔(笑)というか、「オレがロックだ!」という感じなんだけど、サウンド的に僕にはピンとこないものが多い。

これはすごい偏見かもしれないけれど、ダイアトニック進行主体の楽曲というのはロックミュージックとは相性がよくないんじゃないか? という気さえしてくる。本当はそんなことはないんだけど。

ロックなんて自由だからなにやってもいいし、これがオレのロックだと言うんならそれもいいけど、クイーンサウンドにはやはりなにか異物感、違和感がある。

最後にクイーンのデビュー時の楽曲について解説されている方の記事にもリンクを貼っておきましょう。この方はクイーンが好きみたい。

伝説のバンド・Queenのデビューアルバム『Queen(戦慄の王女)』レビュー

もうひとつ、なんかすごい人気記事みたいなのを貼っておきましょう。ここまでくると、もうクイーン信者ですね。長文ですがクイーンを知らない人には良いまとめです。

 

映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観た人に読んでほしいクイーンの話

 

コメント

  1. Shumilsson より:

    ボクもクィーンが好きじゃないです。
    な〜んでか、って言うとね(堺すすむ風:
    分かります?) ボクもブログ書いてるんでお時間ありましたらお読みください。
    http://fanblogs.jp/3853/archive/67/0

  2. nice clew より:

    まずはコメントありがとうございます。ブログ読まさせていただきました。
    わたしの年齢、世代については明らかにはできませんけれども、あなたのお話はよくわかります。
    ミュージックライフについても知っていますし、ブログで言及されてるバンドについてもよく知ってる。
    また ブライアンメイ のギターについても。
    もしかして同じような世代かも?(笑)
    僕は音楽性以外で言うと、あのヒラヒラしたエンジェルのような舞台衣装が嫌いでした。
    「なんだあれは?」という感じ。
    確かに彼らは当時はアイドル的扱いで、ブルースロック的なものとは確実に一線を引いていたように感じます。
    もしかして、それが彼らの狙いであったのかもしれません。
    そういう意味では「先駆者」であり、だから現在において再評価されているのかも。
    ロックという破壊的イメージを、もっとポピュラーなイメージにして、受け入れやすくしたというべきか。

  3. より:

    なるほど。Deep purpleとかRainbow,Yngwieなんかも苦手ですか?

  4. nice clew より:

    コメントいただきましてありがとうございます。
    早速ですがご質問にお答えします。

    全然嫌いではないです。むしろ好きかもしれません。

    では、あなたがなぜこのような質問をされたのか? それについて私見を述べてみたい。

    おそらくあなたはクラッシック音楽の要素、というかブルースフィーリングをほとんど感じられない音楽について語っておられるのでしょう。
    1度、3度、5度、7度 がフラットすることによって独特のフィーリングが醸し出されるわけですが、私なりの考えでは、ロックミュージックというのは
    歴史的にブルースと深く結びついており、それは楽器のチューニング・・特にギターのチューニングとも深く関係しております。

    クラッシック音楽が5度音程を中心として考えるのに対して、ロック、ポップスなどは4度音程を中心として発展してきたと思います。
    4度音程も5度音程もどちらも音楽を考える上においては重要な音程ではありますが、5度音程は根音に対して忠実といいますか非常に安定してものであるのに対して、
    4度音程というのは「重心が転倒」しているわけで、不安定とも表現すべきか、あるいはルート音に対してアヴォイドすべき音となります。

    音楽理論と、いわゆる人間の持つ「聴感」の関係については深く掘り下げるべき課題だとは思っていますが、
    個人的にはやはりロック的感覚を呼び起こす音組織としてはペンタトニックであり、それはフィボナッチ数列に見られる「黄金比」・・すなわち有機生物に見られる
    神秘的な比率と深く関係していると考えます。

    つまりダイアトニック主体で美しい音楽は創れるけれども、音楽の本質はそこだけにあるのではなく、もう一つのオカルト的な本質が隠されているような気がしてなりません。
    僕にとってはリッチーもインギーもギターヒーローではあるけれど、彼らの創る音楽は「クラッシック音楽的要素のあるロック」というような認識です。
    バカにしているわけではありませんので、誤解なきようにお願いします。

    ありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました