リディアンフラット7th  lydian♭7 について考えてみる。

スポンサーリンク

不安定から安定へ解決すること

いわゆる機能和声の核となる考え方に 不安定から安定へ というものがあります。他のイメージで表すとこうです。

急から緩へ そしてまた急へ 、動から静へ、動乱から平和へ、争いから和平へ、など。

音楽の構造について調べる、あるいは考えるときに必ず出てくるのが この ”不安定から安定” という概念です。

一般にこの動きをドミナントモーションと呼んでいますね。とくにジャズでそう言われている。

もっとも単純な音楽構造として 12小節 3コード で構成された曲を思い浮かべてみます。

たとえば クロスロード なんかはどうでしょうか。

 

ずいぶん歳を食ってからのヴァージョンですけど良いですね。

曲自体はとてもシンプル。原曲はブルースですね。ロバートジョンソンだったかな。

YOUTUBE だと消されてしまう。。申し訳ないけどテキストだけで説明します。

まあ曲のジャンルというか、そういう表面的なところを取り除いて構成だけをみてみます。

シンプルな音楽構造のなかで不協和音と協和音の感覚を養う

使われているコードは3個のみ。音名ではなくてコード機能だけをみると・・

トニック、サブドミナント、そして ドミナント だけですね。度数でいうと 1度、4度、5度

これがクラッシック・・というかポピュラーミュージックなどの音楽理論でいうところの主要三和音ということになります。

ただハーモニーはブルースということもあって単純な3度堆積・・トライアドの和音ではなくて若干濁ったように聴こえると思います。このあたりは今回は触れないでおきます。あくまで基本的な構成にのみ着目します。

この曲でドミナントはどこか?

それは12小節の終わりの部分、9小節めと最後の12小節に現れます。もう典型的なコード進行の形です。この曲をテンポやらリズムを変えればロックンロールとかブギウギ?とか、そういう感じにもなります。あともっと手を加えればジャズにもなります。もちろんシンプルなフォークソングのようにもなる。(ハーモニーのとりかたで雰囲気は変わりますからね)

手を加えるというのは、たとえば代理コードなどを加えて聴こえ方を変えることを指します。

たとえ手を加えたとしても曲の本質的な構造は変わりません。あくまでも12小節のブルース(形式としてのブルース)ということになります。

※注意

ブルースというのは ”音的” たとえばペンタトニックスケールやらブルーノートを使ってるからブルースという場合と、あと形式としてのブルースがあると思っています。なのでそれらを混同しないように。

さて、クロスロード は キーが A でやってますね。これがトニック 主音 となります。サブドミナントは D、ドミナントコードは E となる。話を単純にするためにあえて7thは付けません。

今回のお題・・リディアン♭7 はいったいどこで? 使えるスケールなのか?

それはドミナントで使われるスケールです。スケールの主音はB♭となります。主音であるAの半音上ですね。じつはB♭ってのはドミナントであるEの代理音になるんです。

EとB♭ の関係は音程でいうと トライトーン(増4または減5度)という関係になります。いわゆる正規のドミナントモーションの裏ヴァージョンというわけですね。したがってトニックであるAの半音上をルートとするリディアン♭7スケールが使えます。

一応音楽理論的に 「ここはこういうスケールですよ」 という説明はできる。だけど僕はそういう理解の仕方はおすすめしない。やっぱり耳で聴いて判断できないとダメなんですよ。ここはドミナントだからって、バーッと それ系のスケール たとえば オルタードやディミニッシュやら、ここでいうリディアン♭7とか・・ベラベラ弾いて何の意味がありますか?って話。。

たとえばドミナントのEにはどんなスケールがくるか?

主音がAだから Eミクソリディアンか? うん、たぶん正解。しかしブルースには合わない。ためしに弾いてみたけどEフィリジアンのほうがしっくりくる。

まあ考えてみればブルーノートってのは3度が♭しますからね、主音の3度が♭してれば当然主和音はマイナーとなります。つまりAmですよ。だけど鳴ってるサウンドはマイナーではない。

あとE7♭13のサウンドも合う。これも当然だなあ。

結局ブルースっていうかドミナントってのは12音全部使える。まあ使い方次第ってわけです。極端に言うと音価が小さければ何を弾いても違和感なく聴こえます。つまり速いパッセージ フレーズでずらずらーっと弾かれると耳にひっかかりなく聴こえてしまう。

それで、このやり方がまずかったりすると、すぐに その音 を間違った音として認識するんです。このあたりの感覚は誰でも持っていて、すぐに聴き分けられると思います。

試しに でたらめ でいいので、いろいろ音をバックサウンドと合わせて伸ばしてみてください。マッチする音と、違和感を覚える音とはっきり区別できると思います。

違和感を覚える音というのは バックサウンド(時間軸上におけるコード機能)にそぐわない音なんです。経過音、もしくはアプローチノートとして扱える音 というわけで、大きな音価としては使えない音です。ただし目立たなく使えば全部の音を使うことができる。

ミストーンに聴こえるのは、その音が妙に目立つところにあるか、あるいはアクセントを付けているかのどちらかです。こういった音の取り扱いは下手に理屈をこねくり回すよりも、直感的に理解したほうが実践的なのです。

ドミナントにおけるアドリブ練習の提案

たとえば曲というかコード進行をテンポに合わせ、ギターをシングルトーンで弾いて合わせてみます。時間軸が移動していくなかで、選んだ音がどういうふうに動くか? 考えながら弾くのは有効な練習方法だと思います。アドリブの練習なんですが、音の解決法を学んでいるといえるかもしれません。

最初はコードトーンを結んでいくだけの凄く単純なものから、しだいに音数を増やしていきます。

一般的な意味としてのアドリブ構築の方法論 というのはあります。たとえばコードトーンとその展開形をつないでいくもの、そこにテンションを加えた形、アプローチノートを加えてリズムバリエーションを変形させる・・など。いわゆるクラッシックなヴァーチカルスタイルです。

これでも一応形にはなります。

スケールで学ぶよりは音楽的かもしれませんが、まだ型にはまった練習方法であり、深みがないです。やっぱり非効率的に思えるかもしれませんが、いきなり知らないコード進行を聴かされて、「さあ、アドリブやってみろ」 といわれて 1音1音フィンガーボードを探りながら 音をつないで感覚を磨いていくのが音楽的行為のように感じます。

このページの主題は リディアン♭7 でしたが、だいぶ趣旨からはずれてしまったようです。いちばんお伝えしたかったのは、

「スケールで学ぼうとしないこと。聴き分ける感覚を養うことのほうが大事」 ということです。

しっかしあらためてブルースてのは変なヤツです。なんかメジャーとマイナーが入り混じった感じがします。たいていは 「ブルースってのはこういうもんだ」 ということでロクな説明が無い。

以下工事中。。

 ジャズマイナーと言われるスケール・・これはメロディックマイナーのことですよ。

一般にはジャズマイナーと呼ばれるスケールがあります。名前の由来は文字通り 「ジャズでよく使われるマイナー系スケール」 ということからでしょう。

スケールやら理論的なことでつまずく理由の一つに、「呼び方の違い」 があるかもしれません。音列を度数でしっかり把握すれば、呼び名が違うだけで同じ音列のスケールというのは確かにありますし、人為的にいくらでも作ることも可能です。

まず冒頭のジャズマイナー・・・これはメジャースケールの3度をフラットさせただけのものです。たとえば C を基音とすると、Eをフラットさせただけ。これを基音を1度づつ C→D というようにずらしてやってみる。

最初は奇妙な感じですが、無理失理慣れさせます。

リディアン♭7、オルタードスケール と音列が完全に一致するものがあるはず。結局は小難しい名前が付けてあるだけで、メロディックマイナースケールの展開系であることが理解できると思います。

 

ドミナントコードにおける コンビネーション オブ ディミニッシュ コンディミの選択について

コンビネーション と ディミニッシュ

ディミニッシュを二つ重ねた音列ですね。スタート音を半音だけ上にずらして短3度を重ねていく。これを1オクターブ内に並べると コンディミスケール となります。

音符で理解するのも必要ですが、ギターなら指板における形で視覚的に簡単に理解できます。

ドミナントコードにおけるコンディミスケールの選択はハーフステップです。スタート音をGとした場合、次に来る二番目は半音上のG♯となります。テンションでいうところの ♭9 ですね。ハーフの意味は 半音 です。つまり、コンディミスケールというのは、半音と全音が交互に入れ替わる音列なのです。

音列の最初から二番目が半音なのか、あるいは全音なのか? の2種類しかないので、運指としてはハーフ、それからホールステップの二種類しかありません。

ドミナントコードにはハーフステップを選ぶ。これだけ覚えていれば後の展開はその応用です。

スケールの形でそのまま弾くのは音楽的ではありません。一応、理論的に考えるとどういうことなのか? そういう面で考察してみる。

リディアン♭7 のまとめ

トニック、もしくは仮トニックの半音上をルートする リディアンモード の7度をフラットさせたもの。
コードサウンドとしては正式な5度ドミナントコードの裏コードとなる。
リディアン♭7のサウンドはドミナントコードの代理であり、この音列の第4音をルートしてみると、正式な5度セブン、つまりドミナントコードのオルタードスケールと完全に一致する。
つまりオルタードとリディアン♭7は増四減五の関係で重なり合ってるだけで、構成音はまったく同じ。

というわけでご理解いただけましたか?

実は音楽理論は捉え方次第でけっこう見方が変わります。一通りの理解で満足せずに、いろいろな視点から考察してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました