このC音が気になるのは僕だけか? いや、そんなことはないと思う。
一般的にいって、パッヘルベル作曲 「カノン」 は、すごく人気のある曲で、たとえばロックギターが好きな人も カノンロック などで聴いてる、あるいは自分でもギンギンに弾いてる人もいると思います。
とりあえず分かりやすくするために、簡単なピアノアレンジの曲を 譜面付き で追ってみたいと思います。
強烈な違和感を覚える音
僕が強烈な違和感を覚える音は以下の箇所。
ちょうど青いマーキングで囲ってあるCナチュラル音です。この後も何回か出てくる。
この曲はFとCが♯されていますので、キーはDmajです。音楽理論はまあ脇に置いといて、サウンドだけを感じてみたいのですが、僕はどうもこのC音が気になって仕方がありません。
みんな良い曲だといいますけど、この指摘した音については誰も何も言わないのが不思議でなりません。ひょっとして気にしている人もいるのかもしれませんが、僕はこの音についてこだわりを持って指摘している人を知らない。
カノンロックとか聴いて動画などを観ても、やっぱりこの通りにCナチュラルで弾いたりしていますね。
わざわざ譜面を探して確認したのは 「原曲のメロディはどうなってるんだろ?」 と思ったから。作曲されたときから明確な意図をもってフラットさせてるんだろうなぁとは思いますが、どうも僕には合わない。
カノンロックとかコピーしている人は 「あれ? おや?」 とか感じないのかなぁ?
「この曲はこうなんだから、譜面どおりに弾けばいいじゃん?」 とか思ってるのかしら?
ダイアトニックにはないコードを当時はどう考えていたのか?
Dメジャースケール、Dイオニアン においては C音は明らかに逸脱した音です。7度がフラットしていわゆるセブンスコードの響きになっている。
問題の箇所は、サブドミナント G に対する セコンダリ―ドミナント かな?
経過音的なものとしても考えられるけど。Adimとか。なんかここだけブルースフィーリングを感じてしまいますね。カチッとしたダイアトニック構成の中に、半音で解決するような動きがある。
ここが強烈な違和感の正体なのかなぁと思います。
こういう音の使い方というのは、当時のリスナーにはどう受け取られたのか興味があります。確かバッハよりかなり年上だったはず。
1653年9月1日 – 1706年3月9日 ウイキペディアによるとドイツ生まれでバロック期の作曲家。バッハ家とも親しくしていたとある。カノンの作曲は1680年ごろと思われる。
江戸時代の初期にドイツではこんな音楽が聴かれ好まれていたわけですね。ちなみにこの曲の解説について検索してみたところ・・・
C音に対する見解が書かれた記事は一切ない。なんで?
僕は 「気になるC音の使い方」 は普通じゃないと感じています。解説では一般的なカノンの構成と、コード進行について書かれているだけで、誰もスケールからはずれた音については言及していません。
まあ気にならなければそれでいいわけですが・・・
パッヘルベルは明らかに半音で進行するサウンドを意識してメロディを書いたのは間違いない。
コメント
今更コメントですが、私も小学生の卒業式で聞いたあの時からずっと気になってました。
ナチュラルのドが出るとこは何度聞いてもすごくドキッというかギクッとしますね
それが結構心地よかったりするんですけどね~