牛タタキやユッケ、それに「牛刺し」など生で食べる牛肉には厳しい審査と作業マニュアルがある。そしてそれらをクリアしてはじめて販売許可が下りるんです。
はい、このページでは「生食用牛肉」について書いています。みなさん覚えているでしょうか? その昔、ユッケを食べて死亡事故が発生したことを。
そう、0157大腸菌 による食中毒事故ですね。かなり以前のことなので事故について詳しく知りたい方は適当な語句で検索してみて欲しい。
僕がなんでこんな記事を書くかというと・・・それはローストビーフも調理方法によっては「ヤバいことになる可能性」ってのがあるからなんですよね。
調理方法と滅菌に関する知識がないとマジで命にかかわる事態になるかも・・・
まず基本的知識ということで以下、いくつか挙げてみますね。
牛肉の雑菌は基本的に「お肉表面」に付着している
ここではローストビーフに話を限って進めます。まず雑菌というのは肉の表面に付着しています。たとえばスーパーなんかで買った赤身のブロック肉・・・
一見すると異物の付着もなくキレイに見えるかもですが、ヒトが整形する過程で触っていますので必ず雑菌がいます。
でもこれは表面を高温で焼く、あるいは焦がすことでほぼ無害になります。問題は牛肉の中心部分なんですが、こういった表面に出ていない筋肉の中には基本的に食中毒菌はありません。
しかしながら安全性を追求するなら中心部に至るまで加熱殺菌をした方が良い。ここで問題になるのが熱の通し方なんですよ。
高温で焼いちゃうとお肉がどうしても硬くなり、ついでにスライスしたときの見栄えも悪くなる。理想を言えば外側はカリっと香ばしい感じの焼き目が付いていて、中心の方はしっとりと柔らかい・・ややピンクがかった色合いという出来具合。
んで、これを実現するためには「低温調理」っていうのをやるわけです。
60度から70度ぐらいだと思うんですが、それくらいの温度で長時間(時間に関しては正確に書くことはできない)ゆっくりと加熱と殺菌をします。
雑菌(食中毒菌)というのは低温の場合は長く熱をかければ死滅します。逆に言うと、短時間では菌が残る可能性があります。
このやり方は袋に入れて湯煎でやったり、あるいは余熱で保温しながらやったり人さまざまですね。あとは表面に焦げ目を少し入れればいいだけ。
あとは食品添加用アルコールっていうのがありますから、それを吹きかけて消毒したナイフでスライスすれば衛生面では問題がないと思います。
整理すると・・・
- 低温調理の場合は「加熱時間」に留意する
- 肉表面は高温で焦げ目をつけ「加熱殺菌」する
- 盛り付け時のナイフとまな板に注意する
以上の三点に気をつければ衛生面では問題なしです。
以前は牛刺しや牛タタキを普通に赤身ブロックから作っていた
まあ余談なんですけどね・・今のように規制が厳しくなる前は、ふつーに牛肉の赤身ブロック買ってきて、自分で刺身やタタキをつくって食べていたんですよ。
なんの整形もしてない大きなブロック肉を自分で筋を取って脂肪を取っ払って・・・んで、そのまま薄ーく手切りしてね、んでもって、ニンニクやショウガと醤油で刺身で食べるわけ。
あ、タタキの場合は塩振ってですね、それをバーッと全体を焼いて、んで、すぐに氷水で絞めて・・冷めたら水気をふき取って、あとは薄く手切りして、ショウガ醤油で食べるw
けっこう適当に調理してましたけど、一度も食中毒なんかなったことない (笑)
ああ、最近食ってないから食べたくなってきたなぁ (笑)
生食用牛肉は許可を取ってあるお店で買いましょう
おそらくだけど、普通にお肉を買いにいくとですね「加熱用」と表示がしてあると思います。これは冗談抜きで「加熱してください」ということなので、間違っても生で食べないようにw
どうしても生で食いたかったら、お店の主人に聞いてみましょう。
ちゃんと許可を取っているお店は対応してくれるとおもいますけど。逆にですね、「いや、うちは認可取ってないからダメ」っていうお店もありますね。
そういう未認可のお店では無理に頼んだり、ウソをついて買ったりしないように (笑) あとで何かあった時に面倒なことになりますので、ちゃんと使用目的を伝えて買えるかどうか確認してください。
あと、生食用牛肉の価格なんですけど、これは一般的には高くなると思います。その理由は・・・
トリミングの基準が厳しい
からなんですね。
つまり、加熱調理なら食べれるところもザクっと大幅に取っちゃうからなんですよ。これは安全基準で決められていてね、なにも好き好んで捨てているわけじゃない。そうしないと売っちゃダメっていう基準があるのですよ。
だから原価が高くなってしまうというわけ。
以上、低温調理と牛生食についての話でした。