ペンタトニックスケールの理解のしかた ペンタトニックスケールは実は奥深い!

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ペンタトニックってギター初心者が最初に覚えるスケールでしょ?

そんなことないよ!

だれにそんなこと教わったの?

だっていろんな音楽サイトや音楽雑誌に書いてあるよ?

それはギターのフレット構造やチューニングに原因があるかもしれないわね。

 

ペンタトニックスケールとは何なのか? あらためて問うペンタトニックの音組織

ギタリストがペンタトニックスケールをどういうふうに理解しているか?

これはけっこうおもしろくて興味深いトピックなんですね。なぜ興味深いのか?

 

それはスケールの理解度によって、そのペンタトニックスケールの使い方がまったく変わってくるからです。

 

ペンタトニックは通常ですと、マイナーペンタ、メジャーペンタ などと覚えます。もろにマイナーコード、そしてメジャーコードで使えるスケールであり、ギターではチューニングの関係もあって、ピアノと違ってフィンガリングがとても簡単になります。

こういうところから初心者向きという考えがあるのではないかと思われます。とてもシンプルですね。

ペンタトニック、5音音階を作るには、具体的にはドレミファ~のファとシを抜くだけです。いわゆる ヨナ抜き。これがメジャーペンタトニックであり、マイナーペンタトニックはこれを展開系にしただけです。

では、なぜ ヨナ抜き という呼ぶのか?

これは単純にドレミファ~の 4度、7度 の音を ヨナ という風に略して読んでいる理由からです(笑)

主音として想定しているのはメジャー、マイナーともにコードのルート音です。ですが展開系で使っても全く違和感はありません。(ペンタトニックには主音という概念がないといってもいいと思う)

なぜ 主音 をあまり感じないのかと言うと・・・それは5音組織の中に、半音でつなぐ箇所が一個もないからです。

これは 導音 または リーディングノート と呼ばれており、ターゲットとする音に対して解決させるためのアプローチとしては、とてもスムーズに聴こえる方法のひとつですね。これがペンタトニックには存在しないので、調的感覚が希薄になるんだと思います。

 

 

上の見方はメジャースケールを基準にしただけで、同じスケール・・・つまり同じ音列でも見方によっていろいろ言い方や表現が異なる場合があります。これ、けっこう混乱のもとになります。

 

ペンタトニックスケールのもうひとつの捉え方

ペンタトニックスケールを今度はピアノの鍵盤上から見てみましょう。

 

 

ちょっと画像が小さいので見にくいかもしれませんが、白鍵のセンターに中央の C があります。ここが C4 です。

C4 をスタート地点として、次の上の C これが C5 となります。

C4 と C5 の間に黒鍵が5個並んでいます。これがそのまま ペンタトニックスケール になります。

 

ギターでは音階が半音で並べられていますから気が付きにくいですが、じつはC4を基準でみると、ペンタトニック音階は画像のように並んでいることが分かります。イメージでいうと白鍵の奥に完全に邪魔者として引っ込められています。

C音を基準とした1オクターブ内の黒鍵の音の並び方はメジャーとかマイナーペンタにはなっていないことに注意してね。

 

Cを基準として見ると、黒鍵でのメジャーペンタトニックのスタート音は、F# です。そしてギターでなじみのあるマイナーペンタトニックのスタート音は D#、もしくは E♭ です。

 

度数で言うと、Ⅰに対して♭Ⅲから始まるマイナーペンタトニックスケール音が「完全に調からはずれている音群」になります。メジャーペンタトニックスケールでは #Ⅳ から始まるスケールとなります。Ⅰ に対して 増4度 という関係です。

 

ギターにおいては簡単に移調できるペンタトニックスケールですが、ピアノですとけっこう面倒なのが分かりますね。

 

 

ペンタトニックスケールのもうひとつの捉え方というのは、ピアノ鍵盤を見ればすぐ理解できますが、Cメジャースケールに被る音がひとつもないということです。

 

このメジャースケールに被る音が一つもないという特性は、音構造さえ変えなければ移調しても同じです。

 

それってただキーがまったく違うってことだけじゃないの?

 

その通りです。しかし、そういう発想では音楽的アイデアというのはまったく広がりません!! そして広がる余地もまったくないです。

 

ノンコードトーンをいかに使いこなすか?

ここからは少し高度な話になります。

ある程度 使われている言葉の意味などが分からないと理解できない部分があるかもしれません。

音楽理論をかじればすぐに分かることですが、音楽でいうところの音、ノートって呼ばれるモノにはいくつか種類があります。要するにメロディで使われる音と考えていいです。

大きく分けて3種類、コードトーン、テンションノート、そして ノンコードトーン と呼ばれるものです。

調性音楽において、もっとも違和感なく聴こえる音っていうのは コードトーン になります。そして音階を形づくる音がテンションノートです。

イメージとしては 梯子 ですね。

テンションノートは想定しているモードや、コード機能によって変化します。

いわゆる ドレミファ と続く イオニアンスケール、メジャースケールは、見方、言い方を変えれば、コードトーンとすべてのナチュラルテンションノートを含んだコードサウンドとみなすことができる。

コードネームで表すと次にようになるんじゃないかと思います。

Cmaj7(9.11.13)

実際にギターで表現するには少し工夫する必要があります。ピアノだったら3度ずつ間隔をあけて同時にバーンと鳴らせばいいだけ。

C-E-G-B-D-F-A

 

 

コードトーンとテンションを合わせたものがいわゆるコードスケールです。それ以外の間にある音というのがノンコードトーンあるいはノンスケールトーンとでもいうべき音になります。

 

この、ノンスケールトーン というのは使い方によっては単なる経過音になりますし、強調して使えば 「完全にスケールアウトした音」 ということになるかと思います。

したがってフレーズの作り方によっては、ペンタトニックスケールというのは 「アウトフレーズ 」「スケールアウトしたフレーズ」として活用することができます。

しかし完全にコードサウンドからは「外れた音」になるので、リスナーにとっては非常に不快なサウンドにもなり得ます。

ギターでのフィンガリングとしては、とても単純で簡単なペンタトニックスケール。

ペンタトニックを音楽創作の上で「非常に緊張感をもたらすノンコードトーンとして活用する技術と考え方」というのは、ギタリストにとってすごくチャレンジのしがいのあることだと思います。

ペンタトニックスケールというのは上に述べた理由から、使い方次第では「じつに興味深い音組織になる」と言えるのですよ。

決して初心者用のスケールではないんです。

そしてペンタトニックの特性にはもっと深遠な真理も隠されているのです。

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