バルトークが聴けない! なぜなんだろう? と考えていたら同じような人がたくさんいるんだね。

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バルトーク弦楽四重奏曲 こんなものをなぜ書こうと思ったのか?

はい、バルトーク弦楽四重奏曲というのは即興演奏で行われたものではなく、ちゃんと楽譜がありますね。考えながら書いたのは間違いない。先日、楽譜を目で追いながら長いこと聴いてみたのですよ。

でも全然楽しくない。むしろ聴きにくいぐらいで、「どうしてこんなものをバルトークは書いたのだろう?」と、考えてしまいました。

決して評価は低くない作品・・・なのに僕にはどうしても良さというか心地よさが感じられません。というわけで、いろいろネットで情報をあさってみました。

僕のバルトークに対する事前情報というのは、ほんとに少しだけ。ほぼ名前だけで、あとはまったくないと言ってもいい。すると、同じような感想を持つ人がけっこういる。

いわく、「まったく音楽が分からない」 「不気味な音で意味が分からない」 などなど。音楽に詳しい人に言わせると、これは無調音楽らしい。なるほど聴いていてもコード感覚とかまったく感じられなかったし、構成もいまいちつかめない感じで、何をどう考えればこんなふうに楽譜に書けるのか? とほんとに不快なぐらい不思議に感じました。

おそらく、理論が先にあり、それに則って書いていったのではないか? でなければ 「ただのめちゃくちゃ」にも聴こえる。 即興による偶発性の和声と進行が延々と続くような曲。

一応、知識として書いておくと、彼には中心軸線という考え、理論があった模様です。

バルトークの中心軸システム

この記事を書くにあたり、ちょっと中心軸システムについて検索をかけてみたところ・・・なんと驚くことに109万件の記事がヒット!!

うむ、やはり有名な理論なんですね。僕が知ったのは坂本龍一経由でしたけど。まあ、詳しくは他の人に譲った方がよいみたいです。

簡単に言っちゃうと、音楽を構成する12平均律音は三つの機能に分割できて、4×3 で12音となり、4個の音で構成されるグループは、どの音も代理として使えるという理論。

ただ、「どうして?」 と言われると困ってしまう。これ、自分で音出してやってみれば分かるけれども、かなり奇妙な感じになります。

楽譜に書いて、知的に分析してはじめて認識できる音楽が、「これ音楽か?」 と問われれば、僕は 「それは音楽じゃない」 と答える。違う認識の人もたくさんいるだろうけど、耳で聴いて判断できないようなものは少なくとも音楽ではないですよ。

バルトークを全否定するわけではないですが、無調音楽を認識できないヤツは音楽的に未熟だという見方だけはしてほしくありません。

バルトークを 「モテナイ音楽」 と表現していた方がいましたが、思わず僕は笑ってしまった。こんな音楽 「いつどうやって聴くの?」 ってのが僕の素直な感想。 ほんとにこんな長い無調のような音の羅列、いつ聴くの? 楽しめて感動できる人もいるらしいが、僕には 「本当に心の底から良い音楽だと感動しているの?」 といった疑念がある。

終わりに youtube の動画 載せておきます。中心軸システムによるキラキラ星らしい。

中心軸システムを使ってきらきら星 ”The Star” by axis system

 

面白いっちゃあ面白いけど奇妙な響きにも感じる。耳がこういうのに慣れてくれば普通に聴ける感じになるという意見もありますが、はて? そうだろうか?

1000年たっても不快で奇妙なサウンドであり続けるような気がするが・・・

追記 プログレッシヴロックやジャズロックとの共通性

追記になりますが、再びバルトークを聴きつつ、彼の音楽について考えています。

ふと感じたのは、バルトークの弦楽四重奏というのは、なんとなくプログレッシブロックや、フュージョンミュージックのさきがけとなるジャズロックなんかとよく似ているような気がします。

時系列でいうと当然ながらバルトークが先駆者であり、後に出てくるジャズやロック界のミュージシャンは彼のフォロワーということになる。

具体的なサウンドを挙げると以下となります。

1、マハビシュヌオーケストラ 火の鳥

Birds of Fire – Mahavishnu Orchestra

2、キングクリムゾン 初期の作品

King Crimson – Larks' Tongues In Aspic Part I (OFFICIAL)

僕的にはジョンマクラフリン率いるマハビシュヌが真っ先に記憶から呼び起こされたけど。これはいろいろ個人差というか、音楽体験によるところが大きいので何とも言えませんけどね。

とにかく音楽性の遺伝子というか、音楽に対するコンセプトの遺伝子みたいなものがジャンルを超えて、世界中に種を付けて、あらたな生態系を作っているというようなイメージが見えます。

バルトークの音楽は確実に現代の音楽に影響を与えているはず。難しい解説は僕にはできないけれども、サウンドをよくよく聴き込めば直観的に理解できる。

一聴しただけでは分からない「危うい美しさ」

この弦楽四重奏曲 全編聴くのはかなりしんどいのですが、小さいパーツに分けて聴くと、「個人的にかなり好きな部分」 があることに気が付きます。「いいなぁ」と感じる部分があるのですね。意外でしたけど。

非常にロックミュージックに近いフィーリングなんかを感じちゃう。

いつ聴けばいいのか困ってしまうような印象を持つサウンドですけど、美しさは間違いなくある。

 

Béla Bartók – String Quartet No. 1

No.4 のリズミックなパート すげーかっこいいと思ったよ。

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