
カルビと上カルビって、結局何が違うんだ?
同じ牛肉なのに値段が倍近く違う店もあるぞ。

まず「上カルビには全国共通の絶対基準がある」と思わない方がいい。
店がどの肉を「上」として選ぶか、そこを見る話だ。
肉にはちょっとうるさい僕です(笑)
昔、カルビと上カルビの違いについて書いたことがあります。当時の僕の結論はかなり単純で、「同じ部位からいいところを取ったものが上、残りが並」というものでした。
大筋では、僕が実際に肉を扱った時の感覚として今でも理解できます。しかし改めて整理すると、この書き方だけでは少し乱暴でした。
なぜなら、そもそも焼肉屋で使われる「カルビ」「上カルビ」という名前には、全国の店が必ず従う一つの切り分け基準があるわけではないからです。
そして、この話は実際に大きな肉の塊を切ってみると、かなり分かりやすい。
そもそも「カルビ」は一つの決まった部位なのか?
焼肉屋のメニューを見ると、「カルビ」という一つの部位が牛の体にあるように感じます。
でも実際には、カルビという言葉は焼肉の世界でかなり幅広く使われています。
一般的には牛のバラ周辺の肉をカルビとして扱うことが多いですが、店によって使う場所や切り方は違います。
牛肉の大きな部分肉として見ると、バラには「ともばら」と呼ばれる大きな部位があり、さらに場所による違いがあります。

じゃあ「カルビ」という名前だけ見ても、全く同じ肉とは限らないのか?

そういうことだ。
店が違えば「カルビ」として出している肉の中身も、完全に同じとは限らない。
ここが、カルビと上カルビの話をややこしくしている原因の一つだと思います。
僕は実際に牛のバラ肉の塊を切ったことがある
昔の記事で、「おっさんはどうしてそんなに詳しいんだ」と書いていました(笑)
理由は単純で、僕自身が牛のバラ肉の大きな塊を買って、実際に切り分けたことがあるからです。それに、付き合いのある肉屋の職人さんから肉について話を聞くこともありました。
大きなブロック肉を目の前にすると、スーパーのパック肉だけを見ている時とは肉の見え方が変わります。
一つの大きな塊なのに、全部が同じではない。
ある場所は脂がかなり多い。ある場所は赤身とのバランスがいい。筋が気になる場所もあれば、「ここは焼肉にしたらうまそうだな」と見ただけで感じる場所もあります。
そして、切る位置が少し変わっただけでも、肉の形や脂の入り方が変わる。
これは僕が実際に肉を切った時、一番強く感じたことです。
「上カルビ」は見た目が良いだけなのか?
昔の僕は、「結果的に見栄えが良いものが上になる」と書きました。
確かに、見た目は重要です。
きれいに脂が入り、形がそろっていて、焼肉の皿に並べた時に見栄えがいい。お客さんが見て「うまそうだ」と感じる。
商売として考えれば、こういう肉は高い商品として出しやすいでしょう。
でも、肉は見た目だけではありません。
同じように霜降りが入って見えても、噛んだ時の柔らかさが違うことがあります。筋の入り方も違う。脂の質や量によって、食べた時の印象も変わります。
だから僕は、「見栄えだけで上と並を分けている」とは思いません。
見た目、柔らかさ、脂、筋、そして商品としての切りやすさ。そういうものをまとめて店側が判断している。
少なくとも僕が肉を見てきた感覚では、そう考える方が自然です。
ただし「上カルビ」に全国共通の絶対基準はない
ここは昔の記事から、一番考えを修正した部分です。
昔の僕は、「上と名前が付いているものは確実に良いところを使っている」とかなり強く書いていました。
でも今なら、もう少し慎重に書きます。
「上カルビ」というメニュー名と、牛枝肉の格付けは別の話です。
A5、A4などの牛肉の格付けがありますが、これは枝肉について歩留等級や肉質等級を評価したものです。
焼肉屋の「上カルビ」というメニュー名そのものを全国一律で決める等級ではありません。

つまりA5牛の肉なら、全部「上カルビ」になるわけでもない?

ならない。
牛全体の格付けと、店がメニューをどう分けるかは別だ。
だから、ある店の上カルビと別の店の上カルビを、名前だけで完全に同じ商品だと思わない方がいい。
店Aでは脂の入りがきれいな部分を上カルビにする。店Bでは特定のバラ周辺部位を上カルビとして売る。店Cではさらに別の呼び名を使う。
焼肉屋には、その店なりの商品設計があります。
同じ肉なのに「並」と「上」の差が分かりにくいことはある
昔の記事を書いたきっかけも、「カルビと上カルビを食べ比べても違いが分からない」という話でした。
僕は、これは普通にあり得ると思います。
例えば、味はいい。柔らかさも十分。でも形が少し悪い。脂の入り方が、店が考える「上カルビらしい見た目」ではない。
そんな肉があったとします。
僕が昔の記事で書いた言葉をそのまま使えば、店側がこう考える可能性はあるでしょう。
そうすると、お客さんは並カルビを食べて「これ、上と変わらなくない?」と感じる。
逆に上カルビでも、脂が多すぎる肉が苦手な人なら、「並の方がうまい」と感じることもあるでしょう。
肉のおいしさは、価格の順番だけで全員が同じ評価になるものではありません。
肉を全部「上」として売れない理由
大きな肉の塊を切ると、必ず形の違う部分が出てきます。
脂を落とす。筋を取る。形を整える。
いわゆるトリミングですね。
特にバラ周辺の肉は脂が多く、僕が実際に扱った時も、かなりの脂を外しました。
肉屋や焼肉屋は、仕入れた肉を商品として売らなければなりません。
全部を最高価格の商品として売れるわけではない。一方で、食べられる肉を何でも捨てていたら商売になりません。
だから店は商品を分けます。
見栄えの良い部分。厚く切れる部分。脂の入りが店の基準に合う部分。少し形が悪い部分。薄切り向きの部分。
焼肉用だけではなく、切り落としや別の商品へ回すこともあるでしょう。
昔の僕が書いた「廃棄ロスを減らして利益率を上げながら、お客さんに喜んでもらう」という考えは、今でも大きくは変わっていません。
「上だから絶対うまい」とは限らない
ここまで読むと、「じゃあ高い上カルビを頼めば間違いない」と思うかもしれません。
でも僕は、そうとも思いません。
年齢や好みで変わるんですよ(笑)
脂がたっぷり入った肉を一切れ食べて、「うまい!」と思う。
二切れ目もおいしい。
三切れ目からちょっと重い(笑)
そんな経験ありませんか?
上カルビとして出される肉が脂の多いタイプなら、赤身とのバランスを好む人には並カルビの方がおいしく感じることがあります。
だから、「上=誰が食べても必ず上位の味」と考える必要はない。
上は店側の商品分類。うまいかどうかを最後に決めるのは、自分の舌です。
僕ならカルビと上カルビをどう見分けるか
正直に言います。
皿に並んだ肉を一瞬見ただけで、全国すべての焼肉屋の「並」と「上」を完璧に見分ける方法なんて、僕にはありません(笑)
店ごとに基準が違うからです。
ただ、自分が食べるなら見ます。
脂の量。脂の入り方。筋。肉の厚み。形。そして焼いた後の柔らかさ。
僕なら、並と上を両方一皿ずつ頼んで食べ比べます。
それで上の方が明らかに好みなら、次から上を頼めばいい。
「値段ほど違わないな」と思えば、並を食えばいい(笑)

結局、食って決めろってことか?

肉の名前を食うんじゃない。
肉を食うんだからな。
その通り(笑)
カルビと上カルビの違いについて、今の僕の結論
昔の僕は、「同じ部位からいいところを取ったものが上、残りが並」と書きました。
今なら、こう言い直します。
だから、「カルビと上カルビの違いは何ですか?」と聞かれたら、本当はその店の人に聞くのが一番早い。
「この店の上カルビは、普通のカルビと何が違うんですか?」
まともに肉を扱っている店なら、その店なりの説明があると思います。
そして僕自身は、肉の値段やメニュー名だけを見るより、実際の肉を見る方が面白い。
同じ一頭の牛。同じ大きな部位。それでも切る場所で肉が変わる。
昔、バラ肉の大きな塊を自分で切った時に感じたのも、まさにそれでした。
肉は「カルビ」という名前になってから始まるんじゃない。その前に、大きな肉の塊があり、それをどう見て、どう切り分けるかがある。
だから肉は面白いんですよ(笑)
なお、黒毛和牛の値段や「適正価格」については、以前「黒毛和牛の値段 適正価格ってあるの?」でも書いています。



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