フレットのすり合わせ テレキャスターのフレット調整

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押さえても音が出ない? 特定のフレットだけ音がビビったり音程が違う? なんかフレットがおかしいぞ?

さて、僕の愛用するテレキャスター。もうかれこれ弾き始めてから「うんじゅうねん?」(笑)という長い付き合いです。

こいつは一度、自分でジェスカーフレットに打ち直しをしています。

 

 

んで、最近ですね、12フレットの6弦・・・Eの音がまともに出なくなっちゃったことに気が付きましたw

もう突然に・・・これまで何ともなかったのに。なぜか半音上のFの音が鳴るんですよ。

ネックっていうのは気温や湿度に敏感ですからね、原因はおそらく気候の変化だと思うんですが。

「あれ? こりゃ13フレットが干渉してるな・・」

んで、他のフレットもやや減りだしていて、凹んでいる箇所もあったので全体で「フレットすり合わせ」をやろうと思ったんですよ。

自分でフレットすり合わせをする その準備

今回、我流ではありますが、そのフレットすり合わせの工程を写真に撮りましたのでアップしようと思います。

まず道具から。

フレットすり合わせに使う道具たち

 

解説です。

まず、カンナ。これは刃を抜いてあります。何に使うかというと、「アテギ」 です。これにペーパーをくるっと巻いてフレットを擦ります。

本当は R の付いたギター専用のアテギがありますが、そんなものは買いませんw リペアのプロじゃないし。。

つぎに赤のマジックペン。こいつはフレットに色を付けるために使います。

なんで色を付けるかというと、削れ具合を確認するためです。ペーパーが当たるとそこだけ削れて色が剥がれるのですが、一目で確認できます。

つぎにペーパー。

これは「目の粗さ」がいろいろありまして、チョイスにはけっこう悩むと思います。

僕としては、やや粗めのモノと、仕上げ用の目の細かいやつを用意してます。

800番と2000番の2種類ですね。これは好みで変えればいいと思います。

あと、けずりクズが出ますのでマスキングテープ、養生テープなどで指板木部を保護しておくとよいでしょう。

僕は面倒だったので貼らずに作業しました。最後にタオルなど、拭き取りに使う布を用意します。

作業の前にトラスロッド調整をしてネックを真っすぐにしておく

とても重要なことなのですが、フレットを擦り合わせる前に必ずチェックしなければならないことがあります。

それは、ネックの反り、ねじれを確認して真っすぐになるように調整しておくことです。

これがいい加減ですと、いくらフレットの高さを合わせても最終的に上手くいきません。

大抵の場合、順反りになっていると思われますのでトラスロッドを締め付けます。これはゆっくり行ってください。穴に向かって右回しが「締め付け」になります。

さて、水平かどうかの確認なんですが、これは真っすぐな定規状のものを使います。

これをネック全体にずらしながら当てて、すき間の確認をします。

本来ならネックに弦の力・・・つまりテンションがかかっている状態で水平になっているのが理想なのですが、これでは作業ができません。

なので、ネックが解放された状態でできるだけ水平に真っすぐにするのです。

プロのリペア現場では、ネックに弦を張った時と同じテンションを掛けられる機械があって、それを使ってフレット調整をするところもあるみたいです。

しかし、僕らシロオトは、そんな高度な機械は持ち合わせていないので(笑)弦をはずした状態で、真っすぐになればいいのです。

フレット全部に色を付ける

ネック調整が終わりましたら、フレット削りに入るのですが、その前に全部のフレットそれぞれに赤マジックで色を付けます。

 

フレットに色をつけます

 

上の写真のような感じですねw マジックは後で拭き取れますから大丈夫です(笑)

乾燥するまでちょっと一服です。

マジックが乾いたらフレットを削る作業に入ります

いよいよフレットを削ります。用意したカンナの土台に紙ペーパーを巻き付けてフレットの上をすべらせます。

 

まんべんなく、同じ圧力、同じ回数だけ磨いていきます。変に力を入れると、そこだけ削れ方が変わってくるので、できるだけ土台の重みだけですべらせます。

 

作業を続けると以下のようになってきます。

 

フレットのてっぺん部分が削られてくる

 

フレットの盛り上がりの頂上部分が削られてきます。また、フレットの凹み部分がまだ残っているのも確認できますねw

フレットは低い部分に合わせて削っていきますので、まだ磨きが足りてないということになります。

作業を続行します。

あ、削りの注意点ですが・・・縦方向、横方向と両方やってください。くれぐれも削りが偏らないようにやってください。

 

くれぐれも注意したいのですが、磨きはネック全体で行います。特定の箇所だけやるとバランスが崩れるので注意です。

 

フレットが減っちゃってもったいないと感じるかもしれませんが、これは仕方がありません。

一通り完了したら弦を張ってバランスを確認します

全体の削りを終えて、見た感じ凹みがなくなり、均一に磨けたようなら弦を張って様子をチェックしましょう。

注意点としては以下のことが挙げられます。

  1. 音がビビる箇所があるのでもっと磨かないとダメなのか?
  2. チョーキングすると音が途切れる?

均一に磨かれていれば起こるはずのないこれらの現象・・・じつは磨きが足りないのではなくて、ネックにテンションがかかってフレットの高さが変わることによっても起こります。

だから、フレットの削りは「やりすぎてもダメ」です。逆に状況が悪化する場合もある。

僕としては、これらの現象の解決には「弦高調整」をおすすめします。

たいていの不具合は、少しだけ弦高を上げることによって解決すると思います。この場合、オクターブ調整も忘れずに行ってください。

ひととおり磨けたならフレット削りは終わらせましょう。

指板にオイルを塗って磨く

確認が終わったら、また弦をはずして指板をきれいにします。僕の場合は、指板用オイルを塗って拭き取るだけですw

指板用オレンジオイル

 

指板用の保湿オイルってのがあるので、こいつをフィンガーボード全体に塗ります。これはクリーニング用ではなくてあくまで保湿用ですからね。(笑)

しばらくしみ込ませたら、タオルなどで指板とフレットを磨いていきます。

これでマジックも落とせますwきれいに拭き上げたら、弦を張って弦高調整に移ります。

本当はフレットの整形を最後にやらなきゃダメ

じつは最後に「削り上げたフレットの整形」をやらなくてはダメなんです。

これには特殊なヤスリが必要となりますので、今回僕はやっておりません(笑)

削られたフレットってのは、じつは台形状態になっているんですけど、これをですね、山を尖らせないとダメなんですよ。

つまり、弦とフレットの接点を鋭くさせる必要があるのです。鋭いといっても、文字通り「刃を立てる」のではなくって、接地面を狭くすると考えてもらえばいい。

こうすることによって音が「より明瞭」になって、サウンドの立ち上がりも良くなるのですよ。

フレットの高さを変えずに接地面が狭くなるように削る特殊なヤスリがあるのです。

フレットを挟み込むようなミゾがあるヤスリ。これはやっぱり必要なんで「買わなきゃな・・」と思っています。

HOSCO というギター専用工具メーカーのモノが一番良いかもしれませんね。一本2000円から3000円ぐらいまででネット通販で買えるようです。

 

 

 

注意点としては、「フレット幅」があります。これにはサイズがあります。なので、自分が使っているフレットの幅を知っていなければなりません。

フレット幅に応じて「ミゾ」の広さが違うのですよ。台形のようになった山を、滑らかな山・・・放物線のような感じに仕上げなきゃダメなんです。

 

頂点の高さは絶対に変えちゃダメですよw マジックなどを塗って、フレットのセンターに細い線が残るようにフレットの山すそを削っていくのです。

これら、フレットの最後の整形に関する情報では下に示すウェブページがおすすめです。めちゃくちゃ詳しい説明がありますので、ギターに対する知識が格段に向上することは間違いないです!!

フレット摺り合わせ

 

 


今回のフレットすり合わせ・・・

フレット整形もフレット磨きもせずに終わらせてしまいました。結構時間がかかるので・・本来なら、すべての調整が終わったらフレットを磨いて仕上げをしなければなりません。

いくらペーパーの目が細かいといっても、やっぱりザラザラしているんですよね。。できればグラスウールで磨いて、さらにピカールなどの金属磨きコンパウンドで磨くといいです。

お疲れさまでした(笑)

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