牛の屠殺 君は牛の屠殺現場を見たことがあるか?

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牛肉が食卓にあがるまで 牛の屠殺、解体工場を見学した話

この話には、残酷な描写があります。気分を悪くする前に離脱してください。僕がかなり以前に見学した「食肉処理工場」の記憶です。

 

へー、おっさん、そんなん見たんだ?

普通じゃ見る機会がないと思うけどどうして?

 

ええ、そのあたりの事情はお話しできませんが、たまたま機会があったので遊びも含めて行ったんですよ。

場所は、九州、鹿児島です。あそこは畜産業が盛んであり、黒毛和牛とか、黒豚の産地で有名です。ちなみに宿泊は霧島温泉だったっけ。んで、ちなみのちなみなんですが・・・

食肉処理工場には若い方が従業員で働いていました。普通の感覚ですと「なぜ若い人が、こんな職場環境を選ぶのか?」 という疑問がわきませんか?

これは職業差別を言ってるわけではないのですが、好き好んで生き物の命を奪う仕事・・・つまり殺生をするということを「生業」として、わざわざ選びたいとは普通は思わない・・・と考えるんですよね。

んで、僕が得た結論というのは・・・

「地元では、それが(屠殺をして食肉を得ること)が、地場産業であるし、社会にとっては必要な仕事でもある」

という認識なのです。ある意味、「尊い仕事である」と言えるのは間違いありません。

一瞬で気絶する牛

まず、牛を処理するにあたって一番最初に行われるのは、牛の眉間に打撃を加えて気絶させることです。

これには ガン(GUN) が使われます。たぶんエアガンだと思うのですが、金属球を打ち込むのではなくて、棒状の突起が飛び出すんですね。

んで、これで眉間を打ち砕いて気絶させます。

この一撃で、およそ700Kgから800kgある巨体が一瞬でぶっ倒れるんですが、間髪を入れず後ろ足をひっかけて逆さづりにします。

んで、首にナイフを入れて放血させます。同時に眉間からワイヤー状のモノを入れて脳を破壊します。

そうしないと暴れるんですよ。反射的に動くんですね。(現在もやっているかどうは知らない)

放血の際に出る血液の量は、ものすごいです。まさにバケツの水をひっくり返したように「バシャ―ッ」と一気に出ます。

この作業を行う場所は中空構造となっており、床は編目状になった金属で覆われています。

残念ながら下部分の構造は見れなかったので、血液がどういう風に処理されているのかは分かりません。

ですが、汚水としてそのまま垂れ流されるわけではないので、いったんどこかタンクのようなところへ貯蔵し、あらためて処理をしているのだろうと思います。

それにしても、牛の血液量というのは一頭でもものすごい量なので、これが一日に何頭もさばく工場となると、想像するだけでもすごいことになりますね。

まさに「血の海」状態なのではないでしょうか。

同時進行で腹にナイフが入れられて内臓を出してしまいます。ちょっと構造まで仔細に見た記憶はないのですが、床に直接ではなく、下で受け取るような構造になっていたと思います。

「バシャ―ッ、ドサッ」 みたいな感じでサクサク作業が進められます。

そして落とされたハラワタは、即座に内臓処理部へ運ばれます。

この後、すぐに皮が剥かれます。作業はホント速いです。皮むきが終わると、ぶらさげられたままシャワー室へと行き、そこで洗浄されます。

そして頭部とひずめが切断され、そのまま冷蔵庫で冷却されます。この姿が「枝肉」呼ばれる姿です。

皮むきされた直後の「ぶら下げられた牛」というのは、文字通りホヤホヤであり、全身脂身でぶくぶくで、湯気が立っています。まだ体温で温かいんですよ。

これが冷えて固まると、普段目にする「白い脂肪の塊」になります。

頭部は別のラインへ運ばれて、そこで分解されます。焼肉として人気のある「タン」もここで取り分けされます。

頭部からは他に天肉(頭頂部の肉)、ほほ肉(頬っぺたの肉)なども取られます。。

気持ち悪い話ですが、切断された頭部というのは、処理待ちの間、ずらっと棚にきれいに並べられているんですよ。しかも顔の皮をはがれた状態で。

んで、新しいやつは、まだ顔の筋肉がぴくぴく、ひくひくと動いているんですね。

 

うっ。。キモイ。

おっさん、それ見たんか?

 

ええ。見ましたよ。忘れられない姿でした。

それが時間がたつにしたがって動きが緩慢になり、やがて止まるんです。

強烈な臭い これが血の臭いというものなのか

食肉処理工場というのは、とても衛生的な環境で行われているのですが、臭いだけはどうしようもないです。

現場に行って閉口したのもその臭い。

俗に「血生臭い」といいますけど、あれがその臭いなんだなと実感した瞬間でした。

それに内臓というのも本当に臭いです。ある程度処理されているホルモンでも少し臭う時がありますが、本物のハラワタというのはもっともっとひどい臭いがします。

昼食をその社員食堂でいただいたのですが、臭いだけは防げないようで、とても食事どころではありませんでした。

(工場も環境衛生には力を入れているはずなので、現在は違うのかもしれません)

慣れてしまえばどうってことはないのかもしれませんが、初めてだとかなりキツイのは間違いないでしょう。

 


 

牛肉は僕の一番好きな食べ物なんですが、感謝していただかないとダメですね。

今回は気持ち悪い話でしたが、これが現実に行われていることなのですよ。そしてそのおかげで僕らは美味い牛肉を食べられるというわけです。

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