的中率は現在7割近くだが、将来的には8割まで確率を上げることが可能
何度読んでも興味が尽きない記事です。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の瀬之口潤輔シニアストラテジスト(49)が、行っている予測方法についてすごく興味がそそられます。ちなみに検索で得た論文を下に挙げます。PDFファイルのダウンロード先となっています。
ノンパラメトリック手法を用いた金融危機の要因抽出に関する研究
ざっと目次と結論に目を通しましたが、正直言って頭が痛くなってきました。内容は 金融危機の要因を抽出し、それらがどのように金融危機に結びつい ているかを解明することを目的としている研究です。
上に挙げた ブルームバーグ の記事の背景には、こういった研究があるわけです。単に株価水準の推移の予測を目的に研究を続けてきたわけではないことが分かります。以下に記事中の記述について気になったことを書きだしつつ、関連すると思われる事柄について書いてみます。
「モデルツリー」と呼ばれるAIの分析手法
モデルツリーというのは、樹木モデルのことでいいと思います。モデルツリーと検索してもマッチした内容は出てこないので、おそらくこの理解でいいと思う。具体的には決定木のようなもの。条件設定で分岐していくイメージです。
過去数年間の市場データパターンからいくつかの局面を作成、局面ごとに重要な経済指標を選び、株価を予測する。
上の引用から推測すると、条件設定に相当するものが、局面ごとの重要な経済指標 となるはずです。92種類の指標を使って200種類のモデルを作成とあるので、局面ごとに、いくつか指標を組み合わせているのかもしれません。
考え方の前提として、株価水準の推移にはパターンがあるということ
過去4年のバックテストをすべてのモデルで試すという記述があります。
全モデルの過去48カ月(4年)のバックテストを行い、最も結果の良いもので49カ月目を予想、49カ月目終了時にまた一から選定し直すを繰り返す。
これは49か月目の株価水準が過去パターンの影響を受けていることを前提とした予測だと理解できます。予測用データは、すべてのモデルにおいて、一か月づつ新しいものにスライドしていくわけです。そのなかで、最も良い成績を収めたモデルをその都度採用していく。
この記事のセクションの最後に、モデルツリーは安定している という記述があります。これは意外でした。こういった動きのある予測に樹木モデルを使うというアイデア、それもひとつではなく、多くのモデルを用意して、それを随時更新し、もっともベストな結果をだしたモデルを使って最新動向の予測をさせるという考え方ですね。
ランダム性のないゲームとランダムな事象における人工知能
次の記述はランダム事象を予測することの注意点について述べています。
経済予測は「どんどん変わっていく世界。ゆっくり変わることもあれば、一気に変わることもある」とし、起こっている事象の裏側にあるメカニズムも認識する必要があり、それが継続、変化したかどうかも予測しなければならない難しさがある
同じ考え方 予測手法では通用しないということです。だからたくさんのパターンを用意して、そのどれが今現在もっともマッチしているか? ということを見極めないと上手く予測できないことを指している。当たり前のことを述べているようであり、案外見落としがちな視点でもあります。
結局のところ、トレンドを見極める方法として、いろんなチャートの分析方法があり、なおかつ いろいろなニュース、発言などによる影響・・ファンダメンタル要素があるということだろうと思います。
細々した用語、手法などはすべてトレンドというか流れを知るための部分要素といえる。
株を現物で持っていて、それがトレンドに乗って今後上昇していくのが確実であれば、いちいち上げ下げを気にすることなく、ずーっと保有していればいずれは高くなったところで離せば儲けが出るという単純なことだろうと思います。
以下 工事継続中。
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