イランの歴史と石油の歴史
さて、年明け早々、ぶっそうなニュースが飛び込んできましたね。イランとアメリカが戦争か!?ってヤツね。。
アメリカがイランの革命指導者を暗殺しちゃった。この記事では、そういう細かい経緯や背景は語りません。というか語れるほど物事を知らないw
もっと大局的に、いつごろからイランとアメリカの接触が始まって、それに石油がどう絡んでるのか? そういうところをざっくりと掴んでみたい。
まずはイランの歴史なんですけど・・・これは相当に古い。当たり前ですが、メソポタミア文明圏内といえる地域(東側半分といっていい)なので、神話時代といっていいぐらい古い。
んで、古代から王朝が入れ替わり立ち代わり変わってるんですね。歴史はものすごく古い地域なんだけど、支配者の移り変わりがものすごく激しくて、全体像をつかむのは難しいと感じます。
詳しくはウィキなんだけど・・・
これ、ざっと歴史を概観してもよく分からないというのが正直な感想。いや、詳しく掘り下げれば理解はできるんだけど、世界の動きと連動して考えるともっと視野を広げる必要がある。
グレート・ゲーム
現代につながるイランの歴史を考えるにあたっては、グレートゲーム という見方、考え方を知る必要があると思います。詳しくは以下。
手っ取り早く言えば、覇権争い ですね。時は1800年から1900年ごろまで。日本でいえば幕末から明治維新・・んで日清、日露戦争という時期。
石油というのも、このころに大きくクローズアップされてきますが、この時期にはまだその石油の持つ価値には重きが置かれてはいません。エネルギー争奪戦というよりも、地政学的に、いかに敵の侵略を止めて自国に有利になるようにするか? ということが考えられていた模様。
こういった動きに清国、日本なども翻弄されていきます。もちろん現在のイランも例外ではなかった。そういった他国の干渉を受けるさなかにイランにて初めて油田が発見されることになります。発見時期は1908年。それが以下です。
というわけで、なにも最初っから油田が目的で中東地域・・すなわちイランがイギリスやロシアの干渉を受けたわけではないことが分かります。
ここで同時に考えてみたいことは石油の歴史です。
石油の歴史
石油の歴史はウィキをみれば一目瞭然なんだけど、わりかし遅くて、アメリカにおける商業生産はだいたい1850年代ぐらいからです。石油の発見は非常に古くからあるのですが、その大量生産と利用の拡大というのは世界が覇権争いをしている時期とだいたい一致するのですね。
ただ発見が困難で、それがどこにあるか分からない という理由で中東地域の油田開発は主に第二次世界大戦のあとということになります。
ちなみに、石油の生成理論・・・「どうやって原油は地下に創られるか?」 これがなかなかに興味深い (笑)
自国に油田を持つアメリカがなぜイランに介入することになったのか?
さて、ここからが本題です。アメリカはいつからイランに介入し始めたのか? 自国に油田を持つアメリカがなぜイランに?
ここは非常に重要なポイントなのですが、イギリスは第二次大戦まえからイランの油田を押えていたんですよ。アメリカではなくてイギリスね。まあ、他国の資源を奪って儲けていたわけですよ。彼らは植民地政策で有名ですからね。んでもって第二次戦争へ突入・・・このあたりはウィキを参考に。
結局のところイランは連合国の一員となり、経済援助を受けて近代化していくわけです。これは見方、言い方を変えると西側諸国の傀儡国家と言える。つまり彼らの都合のいいように使われるという意味で。
ここである重要な政策が取られることになります。それが 「石油国有化」 です。
なぜ自国の資源を自由に使えない?
1940年代に国民戦線を結成したモハンマド・モサッデク議員は、国民の圧倒的支持を集めて1951年4月に首相に就任した。モサッデグ首相はイギリス系アングロ・イラニアン石油会社から石油国有化を断行した(石油国有化運動)が、1953年8月19日にアメリカ中央情報局(CIA)とイギリス秘密情報部による周到な計画(アジャックス作戦、英: TPAJAX Project)によって失脚させられ、石油国有化は失敗に終わった[30]。
上はウィキの丸コピーです。
僕的にはここが一番の原因じゃないかと思えるのですよ。だって、外国(イギリス)に長年搾取されてきた石油という自国資源を、「国のために使おう」といった人物を失脚させて、傀儡(自分たちに有利な政策をとる政権)を応援するんだもんね。
そういう工作を国家としてやる国なんですよ、アメリカ、イギリスってのは。外交に卑怯もクソもあるか! ってな話にはなりますけど、こんなふうに汚い手を使ってでも自分たちに都合がいいように世界を変えていくのが現実だということです。
そこに大義も正義もない。
だからイランはアメリカを憎むんです。
結局のところ、大国の思惑に翻弄されてきたイラン。イスラムへの原点回帰で今の体制に落ち着いているわけですが、歴史を振り返ってみると、イギリスって国はろくでもない国に見えてきます。
あっちこっち引っかき回してメチャクチャにする。アメリカも元々はイギリスだし。んでもって今話題沸騰中の イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官 爆殺事件。。
彼はイランの英雄ですからねぇ。アメリカも悪手を打ったなぁという感じ。溝は深まるばかりでどうしたらいいの状態ですね。ああ、いやだぁ・・年初から重苦しい・・