うつ病 TMS治療について 経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation:TMS)の機序 メカニズムとは

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磁気が精神に影響を及ぼす 磁気によって「うつ病」を改善する TMS治療 そのメカニズムとは?

何らかの原因によって 「うつ病」 を発症し、仕事や生活に支障をきたしている方というのは、想像以上に多いです。

幸い、僕自身はそういう身ではありませんが、身近にも うつ病で長期休養、休職されている方はいますね。

というわけで、今回は うつ病治療についてです。そのなかで特に僕の興味を引いたのは TMS治療 と呼ばれる 磁気を利用した治療方法。

このTMS治療のメカニズムにとても興味を惹かれるのですよ。まずはTMS治療について、ざっと概観をみてみましょう。以下は NHKクローズアップ現代 から。

 

 

なぜ磁気刺激でうつ病が改善されるのか? その機序は?

上に挙げた記事でさらっと解説されていますけど、このTMS、要するに機能低下している脳の部位に磁気刺激を与えることによって、その機能を回復させる治療です。

 

んー、そりゃ読めば分かるんだけどさ(笑)

もう少し詳しく解説頼む。

 

はい、というわけで論文。

この論文の著者は 鬼頭 伸輔 氏。 先のNHKクローズアップ現代で紹介されてた医師です。論文は まあこんな書き方ですので一般には分かりにくいw 僕も分かりにくいので、いちいち言葉の意味を調べながら読むわけですが(笑)

以下、ポイントを全文コピペですぅw(抄録)

抄録:経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation:TMS)は,非侵襲的に大脳皮質を刺激し,皮質や皮質下の興奮性を変化させる方法である。
10 ~ 20Hz の高頻度刺激は皮質興奮性を増強し,1Hz の低頻度刺激は皮質興奮性を抑制する。TMS によるうつ病治療では,左背外側前頭前野への高頻度刺激と右背外側前頭前野への低頻度刺激の2つの方法がある。
うつ病患者では,背外側前頭前野のhypoactivityと梁下野や前頭葉眼窩野などの腹内側前頭前野のoveractivityがあるとされる。
著者らの研究は,TMS の治療効果が背外側前頭前野や腹内側前頭前野の脳血流量と相関していることを示唆し,右背外側前頭前野への低頻度刺激は,腹内側前頭前野の overactivityに抑制的に作用し,左背外側前頭前野への高頻度刺激は,同部位のhypoactivityに亢進的に作用することにより,うつ病を改善させると考えられる。

 

まあ、ちゃんと言葉の意味を調べながら読み込めば、何を言ってるのかは理解できると思います。僕なりにちょっと解説すると・・・

機能低下を引き起こしているのが 背外側前頭前野 という部位。ここに10 ~ 20Hz の高頻度刺激を与えることによって脳血流量を増加して活性化する治療が TMS と言われる治療法。経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation:TMS)

一方で 梁下野や前頭葉眼窩野などの腹内側前頭前野 (NHKクローズアップ現代では偏桃体とされている)では、うつ状態においては 「活動過剰状態」 であるのだけれど、TMSによって 背外側前頭前野 の血流量が増加して機能が活性化することによって、偏桃体の活動過剰を抑制する力が回復する。よって うつ状態が改善される。

まあ、磁気刺激によって 脳皮質の血流量のバランスを整える治療だと考えればいいのかなと。個人的には ヘルツ がヒジョーに気になりますが(笑)

なぜって?

それは 音 と関係があるからです。まあ 音 サウンド といっても、極低周波 ですからねぇ。音楽として聴ける範囲ではありませんけど、これが脳に影響を与えるということは・・・ひょっとして・・・

 

なんだ? その思わせぶりな言い方は

なんかあんの?

 

よく分からない磁気とヘルツ 10 ~ 20Hz の高頻度刺激 とはいったい何なのか?

さて、ざーっとTMS治療について書いてきましたが、最後に「分かったようで分からない電磁波」についての話です。

僕が上に挙げた資料を読んでみて思ったこと・・・それは電気と磁気、それから周波数との関係についてです。

一般にはこれらは「電磁波」として知られ、そして理解されています。まあ、専門的に勉強している方でないと、なかなか理解するのも難しいなぁと感じるのですが。

僕自身も専門的知識、訓練は受けていないので、これらのメカニズムを理解するためにいろいろ資料を見ています。

んで、「どうして磁気なのにヘルツ単位を使っているのか?」 について分かりやすい資料がありましたのでリンクしておきます。それが以下

 

 

かなりボリュームのある資料なのですが、電気や磁場、それらをまとめての「電磁波」というものについて分かりやすくまとめられています。

磁気とヘルツの関係については、資料冒頭部分に簡潔にまとめられています。

 

電磁界の種類にはどのようなものがあるのです
か?
電磁界は、「周波数」と「波⻑」によって性質が異なり、次のように分類されます。
周波数が低い(波⻑が⻑い)⽅から順に、静電磁界、超低周波電磁界、中間周波電磁界、⾼周波電磁界に分けられます。名称 周波数 波⻑
静電磁界 0Hz (無限⼤)
超低周波電磁界 0Hz〜300Hz 1000km〜
中間周波電磁界 300Hz〜10MHz 30m〜1000km
⾼周波電磁界 10MHz〜300GHz 1mm〜30m

 

とりあえず、TMS治療に関係すると思われる個所をコピペしてみましょう。

 

電磁界にはどのような⽣体作⽤があるのです
か?
⾮常に強い静電界の中では放電による不快感などを⽣じることがあります。
⾮常に強い静磁界の中で頭を動かすと、めまいや吐き気などを⽣じることがあります。
⾮常に強い超低周波電磁界には、体内電界を⽣じさせ、神経や筋に影響を及ぼす「刺激作⽤」があります。
⾮常に強い⾼周波電磁界には、温度を上昇させる「熱作⽤」があります。

上のコピペ文の赤字箇所・・・ここがTMS治療と関係のある生体作用じゃないかと推測されますね。(ヘルツ範囲からみて)

TMSによる「極低周波」がどれくらいの強さのレベルなのかは分かりませんが、少なくとも保険適用されてる事実から見て、人体に対する副作用はない、もしくは軽微であると思われます。

 

抗うつ剤などの「クスリによる化学的作用」というのは、人体にとっては、どうしてもドラッグ、合成麻薬系クスリというイメージが付いて回ります。とくに脳などの精神系治療においては。

 

まあ、電磁波の人体に対する影響というのも、まだまだ未知なる部分も多いので、怖いといえばそうなのですが、これでうつ病がクスリに頼ることなく簡単に改善できればいいとは思うのですがね。

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