ダブルストップってなんなの?
あーそれ。
ウィキでは重音奏法って説明があるわね。
ふーん、意味は分かるんだけど
なにか実例というかサンプルが欲しいなぁ。
あー、それだったらジミヘンドリックスの演奏なんかがいいかも。
え? あのジミヘン?
ジミヘンドリックスってロックギタリストでしょ?
なんで重音奏法と関係があるの?
そうね、それはジミヘンのコードの弾き方と関係があるかもね。
ジミヘンドリックスのコードの弾き方とダブルストップ奏法との関係
かなりマニアックな内容となりますが、ギター奏法の一つに ダブルストップ というものがあります。
簡単に説明すると、「メロディの一部を復弦でハモらせて弾くこと」 です。
当然ですが、ハモらすには和音になっていないと綺麗には聴こえません。とりあえず 2声でのハモリでもコードスケールからはずれた音を使うと調子っぱずれの音になります。
いちいちどの音をハモらすのか考えながら弾くこともあるのですが、一番手っ取り早いのは、
最初からコードを押さえてメロディのように弾くというやり方です。
スケールのように1音ずつ弾かなくても基本的ローコードだけでメロディックに表現することはできる
どういうことか説明しますと
ジミヘンドリックスは基本的にローコードの押さえ方だけで曲を弾くことが多いです。
言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、よくあるフォークソングのギターでのバッキングを考えてみましょう。
通常の場合、カポタストをして簡単なオープンボイシングのコードフォームを弾きますよね?
その時にはすべての音が協和音であり、変化をつけるためにハンマリングをしたり、プリングオフをしたり、余っている指で音を付け加えたりします。
んで、同時に六本弦の他の音を鳴らしてもきれいに協和したコードサウンドに聴こえます。基本的三和音構成に最初からなっているので当然ですよね。
ジミヘンドリックスの場合は、このカポタストの代わりである人差し指のバレーは使わず、ネックを握りしめるグリップ型で押さえることが多いかと思われます。
これが音を重ねるという意味での 重音奏法、ダブルストップ というわけです。
参考音源
本当はジミヘン本人のオリジナルがいいんだけど、肝心のネック側があんまり撮れていなくて(笑)
でも、この教則動画、よくできてると思います、サウンドもまんまジミヘンだ。
余談だけど、ジミヘンドリックスはライブ中によくチューニングをします。激しいアーミングとかするのでしょうがないのですけど。
んで音を出して耳で聴いて合わせるわけ。当時はチューニングマシーンなんかなかったので仕方ありませんが、この時に ローコードの C を弾くんですね。
これ、弾く人によってかなり好みがあります。
まあジミヘンにとっては C のサウンドが好きだったようです。
トライアド(基本的三和音)の展開フォームを頭に叩き込め!!
トライアドの展開フォームってなんっすか?
トライアドの展開フォームとは、Ⅰ、Ⅲ、Ⅴ というように積まれてる和音の順番を入れ替えること。C△(Cトライアドの意)なら、C、E、G だから、ルートは当然 C になる。
これを3度の E やら、5度の G をルートにしたりする。
そういうふうにフィンガーボードを眺めると、5弦ルートの解放弦を含んだ基本的Cコードフォームが、どんどん変形して、上の方(ハイポジション側)に移動していけることが分かる。
結局、押さえられるポジションすべてで C△を表現することができる。頭にインプットされてるコードフォームを部分的に分割して展開していくことによって、ほぼどんなポジションにおいても同じコードネームで表されるコードサウンドを表現できる。
この練習は ボイスリーディング(和声を滑らかにつないでいく技術) にも有効だし、このセクションのテーマである、ダブルストップ奏法にも、もちろん有効だ。
言ってる意味がイマイチよくわかんねーんだけどな。。
ぶっちゃけ言うと、同じコードネームの押さえ方をたくさん知ってるということだ!!
ギターが上手い人っていうのは、コードについてもよく知っている。当然ながらテンションを含んだコードスケールの知識ももちろんあるけれども、より難易度が高いのは、ハーモナイズしながらメロディのようにコードをつなげていく弾き方だ。
シングルノートで速く弾くだけがすべてじゃない。
ジミヘンドリックススタイルのギターというのは、上に述べたように、たくさんのコードフォームを使ってダブルストップを織り交ぜながら、メロディックラインを作っているところにある。
以上、基本的なコードフォームからメロディックな流れを作る方法について書きました。
通常、コードとかハモリ、ハーモナイズというのは下から作る、すなわち上に向かって積み重ねるという考え方をします。
これは間違いではありませんが、発想をもう少し柔軟にすれば、上から下に向かって重ねるということも可能。
普通、一番高い位置にある音というのは、どうしてもメロディのように聴こえてきます。
このメロディのように聴こえる音、つまり旋律として認識されている音の流れを変えることなしにダブルストップとするためには下のほうに音を重ねないといけません。
つまり、ルートというか最低音とトップノートとの間にもうひとつ音を重ねて、コードサウンドに彩を添えることがダブルストップ奏法の持つ意味だろうと考えます。
応用編としては、ペダルポイント的用法があります。トップノートを固定しつつ、それより低い音域でメロディックラインを弾くというやり方。
ギターは単音楽器じゃなくてコード楽器だからいろんな弾き方ができます。
長々と述べてきたダブルストップについては、多くのギタリストは無意識に弾いてると思われる例がたくさんあります。
特にロックジャンルでは非常に顕著ではないかな。
ダブルストップによるギターバッキングの奏法の例
えーと、追記なんですけどねw 日本人ギタリストで 鈴木健治 さん、って方がいらっしゃるんですね。不覚にも全然知らなかったんですけれども、セッションミュージシャンというかスタジオミュージシャンとして活動されてるプロギタリストのようです。
その方がユーチューブでいろいろギターについてレクチャーしているチャンネルがあるのですが、ダブルストップ奏法について解説している動画を貼っておきます。
これね、要するにコードの展開形をたくさん覚えて、瞬時に移動して弾きましょうということなんですよ。
コードの展開形をなぞるだけで、ある程度メロディの骨格というのが表現されるので、それを瞬間的にできるように、フォームとして覚えてしまいましょうということなんですよ。
まあ、考え方というか視点を変えてみてみれば、 「メロディーのハーモニーゼーション」 ともいえる技術なんですが、いわゆる「和声づけ」 といわれるものです。
単音に音を重ねてサウンドを分厚くしていくだけのことなんですけど、メロディとしての音はトップに残して(一番高い音のこと)その下に、音を重ねる。
この一連の作業を瞬間的にこなすために、あらかじめコードフォームとして「ギターコードの展開形」を考えておいて、練習しておきましょうというコンセプトですね。
何言ってるか分かっていただけると思うのですが(笑) ギターの構造といいますか、フレットボードの構成というのは「変則チューニング」を使わない限りは「きっちり決まっている」 ものですので、これは誰がやっても同じサウンドになりますw
この「形、フォーム」というのを、まず覚えて、ひとつのコードからたくさんの押さえ方・・・つまりフレットボードにおけるアイデアなど・・音のつながりを視覚的にもきっちり把握しておくことはとっても意味のあることです。
最初は形、フォームから入って、慣れてきたら、それ(音の重ね方)について考察してみる。僕はこれが大事だと思っています。
フォームだけ完璧にマネできても、その意味が分かっていなければ発展性はないですよ?(笑)
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