坂本龍一 音楽について考える扉を開いてくれた本

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教授と呼ばれている男 坂本龍一 の考えを知る

ここに一冊の分厚い本があります。買ってから何年も経っている本。買った時の値段は 7000円。高かったです。でも書店で一目ぼれして買っちゃいました。まだインターネットなんてなかった時代の話です。

 

坂本龍一・音楽史

坂本龍一・音楽史

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坂本 龍一 山下 邦彦
太田出版
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比較的、値段が高い本なので(笑)ほとんど買ってる方はいないようですねw

じつはもうひとつセットになった本があります。坂本龍一 全仕事 という本。あわせて 14000円 の買い物でした。

 

坂本龍一・全仕事

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全仕事 というのは 楽譜 になっていて、坂本龍一の仕事ぶりが見れる本となっています。

この記事は おもに音楽史 について書かれたものです。

坂本龍一

坂本龍一の言葉をもとに構成されている本

この本は 坂本龍一 が発した言葉をもとに、山下邦彦 という人物が再構成したものです。雑誌などのメディアに掲載された資料から、なにを どのように 考えて 音楽を創作しているのか。

そういった事柄について 独自の定義 イメージ で音楽の本質に迫っていく内容です。

はじめて目にすると 少し分かりにくいかもしれません。たとえば 鳥の目(俯瞰)とか、獣の欲求(耳が欲すること)とか、断層写真(和声の流れを瞬間的に解析するもの)など、変わったイメージで表現されているからです。

音楽史とはぶつ切れではなく、大昔から連綿と続くものだ

音楽を理解する上で 僕が大事だと感じることがあります。それは さかのぼる ということ。

たとえば 好きなアーティスト ミュージシャンがいるとします。そして実際にそのミュージシャンの演奏を聴いてコピーをし、それについて考えることをします。

一部の人は 真似することで満足してしまい、それについて考えることをしません。といっても 「これがルートからみて何度の音だ」 とか、「このコードの機能は~だ」 とか、「これはナントカスケールの何度の音をホニャララしたものだ」 とかいうことは分析するでしょう。

僕が言いたいのは そういった 表面的なアナライズ のことではなくて、もうちょっと抽象的な概念なのです。

音楽を分析的に聴くときに 自分が一番心に響くフレーズ とか 和声の変化 とか、その他なんでもいいのですが、こういった 自分のフィーリングにピタッときたサウンド について 「これは どこからインスピレーションを受けたものだろうか? 」ということを調べます。

ミュージシャン 音楽家 というのは その時代時代で孤立して存在するものではなくて、やはり成長する過程でいろいろな物事、人物から影響を受けています。そういう影響力の過程をどんどんさかのぼって調べていく。

すると自分なりの 音楽のライン つながりの線 というものが見えてきます。それは単純に ある和声に対する音使い であったり、あるいは 事物の見方に対する洞察 であったり、その時代背景であったりします。いろんな線がつながって、それらが 音楽以外のさまざまな モノの見方 考え方 を得ることにもつながっていきます。

そういった文脈から、一番上にあげた 坂本龍一 音楽史 という本は 僕にとって何度も読み返す値打ちのある本となりました。

音楽理論的な面から言うと、この本は 標準的な音楽理論の範疇を超えています。ただ単に音楽のイロハについて語っているものではありません。基礎的なものを踏まえ、さらに深く考えるといった印象です。

読みやす本とは言えないかもしれませんが、機会があれば手に取って見て欲しい本ですね。

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